カラダを知ろう!

とにかく安眠、快眠、熟睡することばかりに囚われている人。
そもそもの眠りの作用について、改めて考えてみませんか?

1 覚醒と睡眠はシーソーの関係。
 1)体内時計の働きと睡眠負債による圧力で人は眠りにつく。
 2)逆に目が覚めるのは、脳の中の覚醒システムが作動するからだ。
 3)覚醒にはドーパミンやノルアドレナリン、睡眠にはGABAという化学物質が影響している。
 4)覚醒と睡眠は脳内のシーソー関係だが、睡眠の方が覚醒より通常は優位にある。
 5)覚醒の助っ人として、オレキシンという物質がある。
 6)朝を感知したとき、空腹のとき、感情が昂ったときにオレキシンが分泌される。
 7)リラックスしているときはオレキシンは働かない。
 8)よってシーソーは睡眠へと傾くのだ。
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2 眠ると学習能力がアップする。
 1)学習効果のアップは現在ではノンレム睡眠による作用と実験でも多く証明されている。
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3 カラダのメンテは深睡眠で。
 1)学習能力や記憶力の向上、シナプスの整理はノンレム睡眠とレム睡眠の両方でなされる。
 2)カラダのメンテナンスに有効なのはノンレム睡眠である。
 3)筋トレ時は深いノンレム睡眠が大事かも。

4 脳のシナプスを整理する。
 1)シナプスとは脳の神経細胞同士が情報のやりとりをする結合部のこと。
 2)日中活動しているとき、シナプスは増え、強化されていく。
 3)とはいえ、どんどん増えていったら、神経系の機能がパンクする。
 4)ノンレム睡眠時に増えすぎたシナプスを刈り込みして、シナプス整理をし脳の機能と保つ。

5 たくさん動けばたくさん眠れる。
 1)眠りにつくとき、カラダの末端から熱が放出され深部体温が急速に下がる。
 2)起きているときによく使った部分、シナプスが強化された部分ほど深い眠りにつきやすい。
 3)そして、脳のリソースのかなりの部分を使うのが運動。
 4)さらに、試行錯誤しながら新しい動きを練習する方が熟睡につながる。
 5)新たな刺激を求める運動が、熟睡につながる。

参照:ターザン2020年4月9日号p52~p53】

起きているとき、眠いとき、眠っているときに何が起こっている?
4つのキーワードを読み解く、睡眠の不思議な仕組み。

1 体内時計
 毎日の覚醒と睡眠のリズムは、体内時計が調整している。

  1)起きる、眠るをコントロールしているのは、体内時計だ。
  2)体温、血圧、ホルモン分泌、自律神経バランス等も、体内時計の影響がある。
  3)体内時計により、体温や血圧を上げる時間、ホルモンを分泌する時間が決定される。
  4)体内時計リセットの最大にして最重要因子は光。朝起きて光を浴びること。
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2 覚醒レベル
 体内時計と睡眠負債の誘導で、眠る直前、覚醒レベルが最大に。

  1)体内時計をリセットした時には、16時間後に覚醒レベルを落とすスケジュールが組まれる。
  2)朝起きてから昼にかけて覚醒レベルは徐々に上がっていく。
  3)午後2時~5時頃までにいったん落ち、夕方~夜にかけて再び上昇する。
  4)就寝時間の2~5時間前に覚醒出力はピークに達する。
  5)就寝前のピークは、睡眠負債の圧力に対抗するためで、カラダはガンガン目覚めていない。
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3 アデノシン
 ATPの分解物が睡眠を促す?睡眠物質「アデノシン」とは。

  1)アデノシンはすべての細胞のエネルギーの源であるATPの材料。
  2)起きて活動している間、ATPは分解されてアデノシンが溜っていく。
  3)脳の視床下部にあるアデノシンの受容体に作用すると睡眠が促されるという。

4 レムとノンレム
 ヒト特有の単相性睡眠では、真逆の眠りが交互に現れる。

  1)ヒトは夜から朝にかけて一気に眠る単相性睡眠。
  2)猫、犬、新生児は2~3時間おきに覚醒して母乳を求める多相性睡眠。
  3)単相性睡眠は、眠りに突入すると、数十分後に最も深いノンレム睡眠に入る。
  4)その後レム睡眠に移行し、これを夜間4~5セット繰り返す。
  5)ノンレム睡眠は、脳の活動が低下し、寝返りなどの筋肉の出力が見られる。
  6)レム睡眠は、筋肉の出力がほぼ消失し、脳の活動は覚醒時並み。
  7)長時間眠るために”繋ぎ”のレムが存在しているかも。
  8)深いノンレム睡眠を長く続けると外的に襲われたときに命に関わる。
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参照:ターザン2020年4月9日号p50~p51】

健康の基盤となる睡眠。それなのに、日本人の5人に1人は睡眠に不安を抱えている。でも、ひょっとしてそれ謝った思い込みかも?未だ大いなる謎に包まれた睡眠の扉を開け、不満の種がどこにあるのかを、とことん検証。まずは、あなたの眠りの間違い探しから。

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Q:理想的な睡眠時間は8時間。もしや自分は睡眠不足?
A:8時間睡眠は都市伝説。昼間の覚醒度を頼りに適正睡眠時間を知る。

 1)健康を保つために必要な睡眠時間は年齢によって異なる。
 2)成長期の10代なら10時間、50代なら5~6時間で十分。
 3)厳密に言うと、体格や生活レベルを加味したら、適正睡眠時間は百人百様。
 4)昼間の覚醒度(ウトウト有無等)で判断するしかない。

Q:午後10時から深夜2時のゴールデンタイムを死守!
A:時間帯ではなく、深い眠りを得ることが成長ホルモン分泌に有効。

 1)ゴールデンタイムは、ある意味で正解。でもある意味では不正解。
 2)ここからここまでがゴールデンタイムとは決まっていないからだ。
 3)ゴーデンタイムと呼ばれる根拠には、成長ホルモンの分泌がある。
 4)眠りのしょっぱなでいかに深い眠りが得られるかが一番重要。

Q:いつ何時も寝付きがいい。これって一種の才能かも。
A:眠りにつくまでには10分程度の時間が必要。バタンキューは睡眠不足。

 1)それは単なる寝不足が原因。
 2)普通の人は10分くらいで眠りに付くのが妥当。
 3)眠気=睡眠不足の証。

Q:カラダとココロの疲れは週末の寝だめでリフレッシュ。
A:寝溜めは時差ボケの元。休日の睡眠時間は平日の1時間増しで。

 1)知らず知らずのうちに寝不足に陥っている人、いわゆる「睡眠負債」を抱えている人が多い。
 2)残業や飲み会でツケがどんどん膨らんでいけば、睡眠負債に陥る。
 3)平日と休日の睡眠時間の中央時刻のズレはそのまま時差となる。
 4)週末寝溜めをすれば、週明けの月曜日はだるい眠いの時差ボケ状態。
 5)寝溜めをするなら、平日睡眠時間の1時間増し程度にしておくのがよい。

Q:ブルーライトカット眼鏡でスマホ対策は万全だ。
A:ブルーライトに限らず、夕方以降は明るい光をできるだけ避ける。

 1)ブルーライトは目へのダメージが大きく、夕方以降に浴びると睡眠のサイクルを乱す。
 2)ブルーライトカット眼鏡でカットしておけば万全ということではない。
 3)夕方以降、明るすぎない環境にすることが重要だ。

参照:ターザン2020年4月9日号p48~p49】

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